平安時代に書かれた歴史書 『大鏡おおかがみ』 を紐解いてみると
犬が 『ひよ』 と鳴いたと書かれている。
これは濁って 『びよ』 と読むのだと考えられるのだろうけれど
江戸時代まで日本人は犬の鳴き声を 『びょうびょう』 と聞いていたらしい。
『わんわん』 という鳴き声は、江戸時代の初めからにすぎない。
昔の犬は放し飼いだったのだから、野生化して野太い声だったのだろう。
古典の中では 『今昔物語集』 にも興味深い描写がある。
そこでは、赤ん坊は 『いがいが』 泣いている。
『え〜んえ〜ん』 と比べてみてもなんとはなしに雅な雰囲気を感じてしまう。
想像力が膨らみ、五感をビンビン刺激されてくるような感覚を覚える。
子供だけでなく大人までもが、疑問を感じるでもなくそれが格好良いことかのように
新しい言葉だとか、絵文字、省略語のような言葉を普通に使う昨今の日本。
もしかしたら、日本語を勉強されている外国の方々の方が、日本人よりも
美しい日本語を知っていたり、実際に遣っているということだって
あながち無いとはいえないだろう。
言葉は、知識の源泉。
いにしえの日本語に興味を持ち知るということは
どこかイマジネーションに溢れた知的な冒険のように感じてしまうこの頃。
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